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十字架の道シリーズ[20] - イエス様の十字架上の七言(4)
万民ニュース
第 57 号
8073
2007. 12. 04
<目次>
1. 第一、二言
2. 第三言
3. 第四、五、六言
4. 第七言
「イエスは大声で叫んで、言われた。『父よ。わが霊を御手にゆだねます。』こう言って、息を引き取られた。」(ルカ23:46)
ほとんどの人々は臨終が近づけば、過ぎ去った人生を振り返って家族と隣人に遺言を残し、家族はその遺言を大切に思います。同じように、救い主として来られたイエス様が十字架につけられ、亡くなられるとき、遺言のように最後に残されたお言葉があります。それが十字架上の七言です。
神の御子として人間の救いの摂理を完成された、イエス様の十字架上の七言を通して、主の心を明らかに悟ってこそ、まことの神の子どもになれます。前回に続き、十字架上の七言のうち、最後の第七言について伝えます。
1.イエス様が大声で「父よ。」と呼ばれた理由
<ルカの福音書23:46>に「イエスは大声で叫んで、言われた。『父よ。わが霊を御手にゆだねます。』こう言って、息を引き取られた。」と書かれていますが、イエス様が大声で「父よ。」と叫んで言われた理由は何でしょうか?
これは、イエス様が最後に残すお言葉が人々に聞こえなければならないからであり、また「大声で叫んで祈ること」が神様のみこころだからです。
<エレミヤ33:3>「わたしを呼べ。そうすれば、わたしは、あなたに答え、あなたの知らない、理解を越えた大いなる事を、あなたに告げよう。」というみことばをはじめとして、聖書を見れば、あちこちに叫んで祈らなければならないことが書かれています(民数記12:13、第二歴代誌32:20、詩篇57:2、マルコ10:47、ヨハネ11:43、使徒の働き4:24、使徒の働き7:59)。
イエス様がゲッセマネという所で祈られた時も、汗が血のしずくのように地に落ちたほど、切に祈られました。医学者たちは、人がとてつもない努力をするとき、毛細血管が破裂して、汗と一緒に血が染み出ることがあるので、汗が血のしずくのようになることはありうると言います。しかもイスラエルの夜のように寒い時も、汗が流れるほど叫ばれて、しかも切に祈られたので、血のしずくのような汗が地に落ちたのです。
2.「わが霊を御手にゆだねます。」と言われた理由
1) 霊と魂は不滅であることを伝えるため
イエス様は亡くなられる寸前に、大声で「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」と言われました。十字架につけられて死なれたので、肉の生命は尽きるとしても、霊と魂まで消えるのではないので、霊と魂は父なる神様がお受けになるのです。人は霊と魂と肉で造られています。人の肉は、死ねば霊と魂を入れた器にすぎなくて土に帰りますが、霊は永遠不滅なので消滅しません。
神様が土でアダムの体を造られた後、神様のいのちの息を吹き込まれると、いのちの種、つまり、アダムの霊が生じました。神様はアダムの霊の中に、霊の知識、すなわち、真理を満たしてくださいました。このように真理の知識がいのちの種を包んでいる霊そのものが、アダムの心でした。
魂とは、頭脳の記憶装置とその中に含まれている内容、そして、記憶したことを思い出して、考えて、感じて、活用する、すべての作用をまとめたものを言います。
本来、アダムは、霊が主人となり、魂と肉を動かしていました。霊が真理で満たされているので、霊がつかさどる魂と肉も、真理に属していました。
ところが、アダムが善悪の知識の木の実を取って食べて、罪を犯したことにより、霊が死んでしまいました。「霊が死んだ」とは、神様との交わりが途絶えたので、霊が活動できなくなったことを意味します。人の主人である霊が死んで活動が止まると、代わりに魂が主人の役割をするようになり、肉をつかさどっていきました。ところが、魂は敵である悪魔・サタンの働きを受けて、真理に逆らう知識を受け入れるようになりました。こうして心に真理に逆らうものが満たされるほど、もともと神様が満たしてくださった真理は抜け出るようになったのです。愛、柔和、相手の益を求める心が抜け出て、憎しみ、憤り、自分の益を求める真理に逆らう心が満たされました。
このような真理に逆らう知識がいのちの種を囲んで、活動できないようにふさいでいる状態を「霊が死んだ」と言うのです。しかし、霊が死んで活動を止めたとしても、人の霊が消滅するのではありません。人の霊は、永遠不滅な神様のいのちの息を吹き込まれて造られたものなので、消滅できないのです。
では、肉が死んだら、魂はどうなるでしょうか? 脳があってこそ、脳細胞で記憶したり考えたりします。動物は、肉が死んで頭脳の記憶装置がなくなると、肉とともに魂も消滅して、完全に無に帰ります。しかし、人は、魂の働きが心に伝えられて、心に入力されるので、魂が消滅するのではなく、霊の中に入力された魂の状態、言いかえれば、霊と魂が結びついている形で永遠に存在するようになります。それで、主も「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」と言われたのです。
人が福音を聞いてイエス・キリストを受け入れると、聖霊を受けます。聖霊を受けると、死んでいた霊がよみがえるようになります。そして、再び神様と交わり、心に真理が与えられ、真理が満たされるほど、真理に逆らうものを脱ぎ捨てることができます。真理が心に満たされると、真理で考え、真理で行なうからです。
こうして霊がよみがえって、完全に真理で心が満たされた人を「魂に幸いを得ている」と言います。魂に幸いを得ているほど、すなわち心が真理で満たされたほど、すべての点でも幸いを得、健康である祝福を受けるようになります(第三ヨハネ2節)。
<ヨハネの福音書3:5>に「イエスは答えられた。『まことに、まことに、あなたに告げます。人は、水と御霊によって生まれなければ、神の国にはいることができません。』」とあるとおり、水と御霊によって生まれた人々、すなわち、霊がよみがえった人々は、寿命が尽きれば、霊と魂が結びついたまま天国に行きます。しかし、イエス・キリストを信じなかったので、霊がよみがえらず、真理で心を耕さなかった人は、天国に行けません。
まさに、このような人々を受け入れるために備えられた所が、地獄です。罪の中に生きて寿命が尽きた人々は、敵である悪魔とともに、永遠の地獄の火の中に閉じ込められるようになります。
2) イエス様はただ神様の摂理に添って、すべてのことに聞き従って成し遂げられたことを証しするため
イエス様が「わが霊を御手にゆだねます。」という祈りをささげられたことは、イエス様がただ神様の摂理に添って、すべてのことに聞き従って成し遂げられたことを証ししています。
イエス様がこの地上に来られたのも、十字架につけられて死なれ、復活なさったのも、イエス様ご自身の意思と計画のとおりになったのではなく、生死禍福と人類の歴史をつかさどられる神様のみこころどおりになったことです(ヨハネ4:34)。私たちはイエス・キリストの御名で祈りますが、祈りに答えられる方は神様です。
<マタイの福音書10:29-31>に「二羽の雀は一アサリオンで売っているでしょう。しかし、そんな雀の一羽でも、あなたがたの父のお許しなしには地に落ちることはありません。また、あなたがたの頭の毛さえも、みな数えられています。 だから恐れることはありません。あなたがたは、たくさんの雀よりもすぐれた者です。」とあります。こういうみことばの霊的な意味を悟って、深く心に刻むなら、皆さんのすべてを神様にゆだねることができます。
雀一羽も、神様のお許しがなければ地に落ちることがなく、私たちの頭の毛さえも、みな数えられている、と言われたのですから、本当に信仰で神様にゆだねることができるならば、病気の問題はもちろん、職場や事業の祝福、そして、神様の働きをすることにおいても、答えられないことがありません。
イエス様は神様の御姿であられ、神様と一つであられながらも、ただ神様のみこころを求めて、神様にゆだねられました。このように、皆さんも人の方法や人に頼るのではなく、ただ神様だけに頼り、人の能力を超える神様のみわざをいつも体験して、神様に栄光を帰されますように。
愛する聖徒の皆さん、
イエス様が最後に残された十字架上の七つのお言葉を心に刻んで、残酷な十字架の苦しみを受けながらも、大声で叫ばれたイエス様のお心を悟り、完全に神様のみこころを行なわれますように。そして、また来られる主を慕うすべての人々とともに、栄華を極める義の冠を受けられますよう、主の御名で祈ります。
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